Case 2
西日本シティ銀行糸島支店
糸島市前原地区は、江戸時代から唐津街道の宿場町として栄え、
古くから商業や交通の要所として発展した街であり、
今も古い町並みや建物が当時の面影を残している。
また、美しい海岸線や素敵なカフェなど観光スポットと
しても知られ県外からの若い移住者も多い。
そのような地域に建つ銀行の支店を設計するにあたり、
特に心掛けたことは、歴史ある宿場町の雰囲気を残しつつ
若い人たちにも魅力的な建物を創ることであった。
その為に採用したのが日本の伝統的建築の「町家の妻入り形式」を
現在的にアレンジした一枚の片流れ屋根である。
また、建物外壁面には町家に用いられる窓の一種である
「虫籠窓」のデザインを取り入れ、屋根の庇と木目調の
軒裏を大きく見せることにより、暖かい雰囲気を持せつつ、
迫力のある外観デザインとした。
建物内部のATMコーナー上部の壁には地元の糸島組子職人に
よる組子を設え、ロビーやATMコーナーの天井には、
糸島杉の木製ルーバーを用いたデザインを施し開放的で
明るく広々とした空間を演出した。
省エネルギーに配慮した設計については、設計一次エネルギー消費量を
30%削減しBELS認証を取得した。本建物は完成後、地域に開かれた
銀行として福岡県糸島市を紹介するTV番組等で取り上げられた。