Case 1
地域間交流施設・金桁温泉
1級建築士
田中 一樹
Kazuki Tanaka
復活を遂げた金桁温泉
公衆浴場「地域間交流施設・金桁温泉」
金桁温泉は、明治時代に浴場として開業し、特に大正時代から
昭和初期に賑わいを見せていたが、人口減少や過疎化の影響で
2007年頃に最後の旅館が閉館した。しかし、2015年に近隣の三角西港が
世界文化遺産のひとつとして認定され、観光地としての盛り上がりと
ともに、温泉地を「地域間交流施設」として復活させることになり、
宇城市において基本・実施設計の公募型プロポーザルが2018年11月に
行われ、弊社の提案が最優秀と認められた。
設計にあたっては、宇城市三角(みすみ)町を連想させる三角屋根を
連続させることで、地域間のつながりを表現、開放的な「憩いの場」、
「足湯」等を整備し、温かみや優しさを醸し出し周辺の景観にも
調和した存在感のあるシンボリックな外観とした。
竣工後、熊本県ご出身の小山薫道さんが
金桁温泉に入浴、取材をされ、「湯は色褪せた記憶を彩色する」
というテーマの記事を「雑誌Pen2020年10月1日号」掲載された。
また、2021年にはグッドデザイン賞を受賞した。